ハバロフスク数
この記事は、インテジャーズ Advent Calendar 2017 - Adventar 11日目の記事です。
昨日の記事は、せきゅーんさんによるセメレディの定理の組合せ論的証明ー4 - INTEGERSでした。
という自然数があります。これは素数で、一の位を替えた、も素数です。一方は合成数で、と素因数分解できます。
十の位にを挿入したも素数で、同じく一の位を替えた、も素数ですが、と、同じく7を素因数に持ちます。
さらに、百の位と十の位にを挿入した、、も素数で、とこれまた7で割れてしまいます。
ここで疑問が生まれます。との間に、やを任意の自然数個挿入した時、上の法則が成り立つのではないか?
ここで、との間に、やを任意の自然数個挿入してできる自然数を、ハバロフスク数と定義します*1。また、ハバロフスク数の一の位を1,3,7のいずれかに替えて素数となる自然数を、ハバロフスク素数と定義します。
案の定、一つのハバロフスク数に対して必ずしも三つのハバロフスク素数が存在するわけではないことはすぐに判明しました。などが反例です。一方、ハバロフスク数は、何種類試行しても7の倍数になりました。
そこで、数学の知識が乏しいなりに証明を試みました。
うまくいっているかはわかりません。途中躓きながらも、興味本位でゴリ押し...!
命題:ハバロフスク数は7の倍数である。
証明:
まず、ハバロフスク数のうち、88と9の間に6を一つずつ挿入して形成される自然数の数列をとすると、
の階差数列をとすると、
は、初項7980、公比10の等比数列なので、nの一般項で表すと、
(1) のとき
(2)n≧2のとき
(1), (2)より、
n≧1のとき、
ここで、n=1のとき
...①
n≧2のとき、
...②
また、はn≧2において必ず整数となるので、は(7×整数)の形になる。
①、②より、はn≧1において必ず7の倍数となる。
次に、ハバロフスク数の中で、24が挿入されるものを考える。
24が挿入されるタイプのハバロフスク数は、同じ桁数のと7の倍数との差として表すことができるので、24が挿入されるハバロフスク数も同様に7の倍数と言える。
以上より、命題は真である。
...どうやらハバロフスク数は必ず7の倍数になるようです。
桁和で倍数判定のできる3や9の倍数でないのに不思議だな、と思いましたが、似たような例は多数あることも発見しました。
すべて7で割り切れます。
また、上の証明の後半部分からは、挿入されるのは24だけではなく、66から7の倍数の差を取れる整数(2桁なら、03、10、17、24、....、94)の何を挿入しても7の倍数になることがわかります。66に対して24などのような2桁数に限らず、666に対して568のような3桁数以上についても同様です。
88....9の間に挿入できる整数(6桁まで)
1桁・・・6のみ
2桁・・・7n-4
3桁・・・7n-6
4桁・・・7n-5
5桁・・・7n-2
6桁・・・7n
これにより、いろんな7の倍数が作れます。一見7の倍数か判別できないようなものも簡単に作れます。
886.....69から7の倍数を作るときのイメージは以下の感じです(手書きで失礼します)。わかりやすく言えば、889の十の位と一の位の間に6や24などの整数を挿入することは、「7の倍数から7の倍数を足したり引いたりすると7の倍数になる」という法則と同義の操作をしていることになるのです。
これ、「7の倍数大富豪」で無敵じゃね?
今日の日付である、1211も7の倍数です。7の倍数大富豪ならともかく、素数大富豪ではくれぐれも1211やハバロフスク数を出さぬよう!
以上、ハバロフスク数を通じていろんな7の倍数に出会った話でした。
明日も、せきゅーんさんによるセメレディの定理の組合せ論的証明ー5 - INTEGERSです。お楽しみに!
*1:886249の語呂合わせが由来。