3連覇に寄せて~トレンドを掴め!~
この記事は、素数大富豪 Advent Calendar 2019 - Adventar 3日目の記事です。
昨日の記事はnishimuraさんによる
でした。
3連覇してしまいました...!
先月記事にも上げましたが、10月に行われた素数大富豪大会マスパーティ杯で優勝し、前身のMATH POWER杯から通算3連覇を達成しました。
2017年12月、初優勝後のアドベントカレンダー記事
~素数大富豪との出会いと今~
2018年12月、2連覇後のアドベントカレンダー記事
~2連覇への道のり~
2019年11月、マスパーティ杯報告記事
いくら対策してきたとはいえ、強豪プレイヤーが昨年よりさらに多くなった以上、本当にいつ負けるかわからないと思っていました。それがまさかの手札にも恵まれの優勝です。
ちなみに余談ですが、最大規模の大会であるMATH POWER杯とマスパーティ杯を除くと、実は一度も優勝したことがありません。まあ、大きい大会ほど燃えますしねΣ(・ω・ノ)ノ!
MATH POWER杯とマスパーティ杯では優勝し続けていますが、その他の大会では実は優勝したことがありません
— もりしー@カレーパンドラ/素数大富豪 (@9973_prm) October 21, 2019
(せきゅーん杯ベスト8、蝉王戦ベスト4、その他小規模非公式大会も優勝なし)#マスパーティ #素数大富豪
この記事では、マスパーティ杯への対策として意識した、「トレンド」についてご紹介します。
2019年のトレンド
素数大富豪素数には、「トレンド」があります。何の話か!と思われるかもしれませんが、これがファッションとかのトレンドと一緒で、本当に存在するのです。
ファッション好きな人がより最先端で、カッコいいorかわいくて、注目を集める衣服を身に着けるように、素数好きな人は素数大富豪でまだ誰も出したことのない、スタイリッシュな素数、みんなが話題にしたくなるような素数を出したくなるものです*1。
要するに、「流行りの素数」がその時その時で出現するので、そのトレンドを追うことで、ある程度プレイヤー対策ができます*2。
トレンドを追うにはどうすればいいかというと、とにかくたくさん素数大富豪で遊ぶこと!これに尽きます!!!笑
ここで、私が観測した範囲での2019年のトレンドを一部おさらいしてみましょう。
1. 4枚8桁(KJQJ=13111211)より大きい合成数
4枚出しの最大素数で、これが初期手札に揃っていると先手の場合かなり高確率で勝つことができ、強いと言われるKJQJ。この先手有利を覆すためにKJQJを上回る合成数の研究が盛んになりました。特に、今年に入ってから大学での素数大富豪同好会の活動が盛んになったことで、戦術等がシェアされやすくなったことも研究加速の要因です。
4枚8桁合成数の例
13131011=31*423581
13121113=683*19211
13111312=2^4*819457
2. 合成数カマトト
1にも関連してですが、4枚8桁合成数や桁の大きい素数を手札に揃えるために、先手が出した数に対して、手札を全部使って適当な合成数を出し、合成数ミスを装って手札を2倍に増やす戦術がみられるようになりました。
たとえば、先手が4枚で8629のような4枚素数を出してきたときに、後手は9876=1122*33469101112のように明らかに間違った合成数出しをすることで、必然的に手札が2倍になり、先手が仮に次の手でKJQJなどを出したときに返せる確率が格段に上がります。
ケンさんによる調査では、初期手札11枚から1回ドローし、12枚で合成数カマトトをして24枚に増やし、次のターンでもう1回ドローするまでの25枚で、80%以上の確率でKJQJより大きい合成数を出せるそうで、この戦法の有効性が伺えます。
なお、この戦術は先手有利を覆せる利点がある一方で、素数大富豪のゲーム性の本来の意図にそぐわないなどの意見も見られ、賛否両論なため今後の動向には注目したいところです。
3. 5枚出し全般
ここ1年くらいで、5枚出しをある程度使いこなせるプレイヤーが急増しました。よって、一定以上強い人同士のゲームになると、当たり前のように5枚出しが飛び交います。
4. 7枚12桁
ピンポイントで7枚で出せる12桁素数です。これは2018年MATH POWER杯の頃に私が使い始め、次第に強豪の間で広まりつつあります。
例:851212101011など
5. 6枚出し四つ子素数
今年に入ってから、6枚出しの四つ子素数を見る機会が格段に増えた気がします。6枚出しは、昨年まではほとんどの人が手薄だったのですが、初期手札から1枚ドロー後の12枚で6枚‐6枚で組み切れると強いこともあり、徐々に対策がされ始めています。
例:38956X
62662X
84598Xなど
以下はピンポイントで「この人が好んで出す」というタイプの独自路線なトレンドになります。(追記)12月7日の素数大富豪研究会で発表する内容のアンケート部分と内容が被っていますが、この記事はアンケート実施前に執筆しているため、アンケートで回答くださった内容と多少違うことが書かれている場合があります。
6. 4336素数
4336素数といえばカステラさん、というくらいカステラさんが頻繁に出します。
中には20桁を超える素数までバリエーションが豊富で、驚きを隠せません。なお、私はこれにはある程度対策を練っておりまして、一度21桁の4336素数に返すことに成功しました。
このアドベントカレンダーの9日目でも本人が解説されるそうなので詳しくはそこで。
7. ~TK、~QJ
ある数字列の末尾に、1013、1211のいずれを付けても素数になるもので、nishimuraさんがよく出します。8~9枚出しが多い印象ですが、全貌は私もあまりわかっていません。先手の初期手札からこれを出せるとかなり強い印象。
例:94942561013, 94942561211など
8. ~QTJK~、~KQJT~
これも絵札の並びを固定したタイプの素数です。なきゃのさん、ケンさんなど、北海道勢がよく使います。
9. 4410素数
ししとうさんが自らよく使う素数です。マスパーティ杯でも4410931813Xという四つ子素数を本人が出していました。
以下は今年(2019年)に限らず、それ以前から存在していたトレンドです。
10. 593素数
おなじみですね。593(コックさん)がつく素数です。二世さんが特に愛用しています。突然出てくると意外と枚数が多くて返すのに困ることがあるので、侮れません。
二世さんによる593素数の記事
11. 81210素数
81210から始まる素数で、OTTYさんが2018年頃よく使っていた素数です。偶数を多く使えるので覚えておくといざという時役立ちます。
例:8121049
81210641
812101223など
12. 7~8枚四つ子素数
OTTYさんが2018年頃に他に先駆けて7~8枚出しを使用していた時期に頻出した素数です。四つ子素数は、1つの組で4つ覚えられるのでやはり効率がよいです。
例:410510812X
512412136X
81210212413Xなど
こんな感じで、自分がライバルとしている人たちを中心に、「全体的な傾向(前半)」「個人個人の傾向(後半)」の2点から、どのような素数が出やすいかをある程度予測し、それに対策しました。
では、具体的にどう対策するのか?というお話ですが、
・対策したい相手がよく出す素数に対して、同じ枚数でより大きい素数を覚える
・相手が苦手(あまり出さない)な枚数の素数を把握し、その枚数で攻める
などが一般的な例です。
このような経緯で覚えた素数は、以下の「今後トレンドにしたい素数」でも一部紹介しますのでぜひご参考に。
今後トレンドにしたい素数
個人的に今後流行るといいなと思う素数や、今後自分が覚えたい素数などを独断と偏見で載せていきます。
1. 11枚出し素数
とにかく最終的にはこれを極めたいです。初期手札から1発で上がれたらやはり一番気持ちがいいですよね!
とはいえここまでになると膨大な数の素数を扱うことになるので、長い道のりになりそうです。
11枚出し素数については、12月11日の記事で個別にご紹介します。
4~5枚の絵札を並び順だけ決めて、その前に3~4枚の1桁カードを付けていく方法で探索した素数です。そこそこ強く、色んな応用が利くので個人的に強化させていきたい分野になります。
表1 7枚11桁素数の一部
3. 9~11枚出し四つ子素数
10枚以上になると全探索に膨大な時間がかかるほど母数が多くなります。語呂などで覚えやすいところから攻めていきたいところです。
4. 九つ子素数
四つ子素数の中で、さらに末尾に13、先頭に4,6,10,12がつく組。1組で9つの素数を覚えられるのですが、数が極端に少ないので実用には課題もあります。
例:X5278561X*3
X226411333Xなど
おわりに
素数のトレンドは普段遊ぶ相手やコミュニティ等に大きく依存します。
バリエーションのある素数を出せるととても楽しいので、ぜひ皆さんも独自路線でたくさん素数を開拓してもらいたいと思います!
明日の記事はこちら