素数大富豪研究会2019
先日12月7日、昨年に引き続き第2回の素数大富豪研究会が開催されました。
今回は東京での開催。全体で20名余り、北海道からも5名ほどが参加しました。
すっかり忘れていたのですが、昨年は開催後にまとめの記事を書いていたんですね。改めて読んでみると我ながらよくまとまっている...!(?)
今回も同様に、当ブログで特に言及しておきたい論点を簡単にまとめようと思います。
#素数大富豪研究会 、始まりました! pic.twitter.com/kzaUHyyF1f
— 素数大富豪研究会 (@sig_prime_d) 2019年12月7日
今年の注目のテーマ!合成数カマトトについて
ここ数ヶ月さんざん言われている問題ではあります。今回の研究会だけでも、口頭発表・ポスター発表合わせて5人近くが触れていたように思います。
細かい内容は省略しますが、この研究会を通して「ルール調整にようやく動き始めた」くらいの段階です。
あらゆるゲームは、たくさんの人に広まるにつれ、考案当初は想定していなかったような戦法を使う人が現れ始め、それが思いのほか強くゲームバランスを揺るがすということがよくあります。
素数大富豪でこれに近い位置にあるのが「合成数カマトト」です。考案者のせきゅーんさんがアドベントカレンダー14日目の記事でルール変更案について言及くださるようです。
実際に公式ルールまで改訂されるかは不明ですが、大会などの場では、適宜新しいルールを採用していく可能性は大いにあります。
素数大富豪社会学(人文学?行動経済学?)*1について
これは昨年の研究会でtsujimotterさんがやりたいと言っていた研究で、「素数大富豪がどのように広まったのか」に迫る研究です。
これは、今回の素数大富豪研究会のメインテーマである「素数大富豪ってなんだ?」を深く掘り下げる内容であり、非常に興味深かったです。
今回のtsujimotterさんの口頭発表では、主にせきゅーんさんによるブログ記事「素数大富豪との出会い」を参考に、考案の2014年から2016年頃までの初期の広まりに焦点を当てました。
現在は、素数大富豪の普及に関するまとまった資料が上記記事以外にほとんどないため、今後はそういった一次資料を充実させていくことの必要性が見えました。
今後、1次資料のひとつとして素数大富豪年表の編纂がはじまるほか、各々が自分がやったことはもちろん、ほかの人がやったことについても含め俯瞰的に記録をしていくとよい資料が集まってきます。
後述のワークショップの「深める」の部で、せきゅーんさんと私がこの「素数大富豪社会学」を様式に沿って深めてみた結果、研究意欲がより高まりました。
素数大富豪研究のこれからを考えるワークショップ
研究会の最後に行われたワークショップでは、「広げる」の部と「深める」の部に分かれて、それぞれ素数大富豪のこれからを考えていきました。
今年の研究会はワークショップも設けられています!
— 全手動ドラム式でこぽん (@saku2kosaku) 2019年12月7日
「深める」チーム
研究テーマに沿って
戦略、普及、教育etc...
「広げる」チーム
素数大富豪にまつわる211個のテーマを新しく見出すマンダラート#素数大富豪研究会 pic.twitter.com/duILe5YovT
☆広げる
~素数大富豪の211の問題~
マンダラチャートを用いて、素数大富豪の遊び方、伝え方などの派生をいかに広められるかが要点で、211個を目標にし、実際には157個広がりました。
マンダラチャートの写真がないので割愛しますが、こんな感じのを作りました。(画像)
出典:http://u-note.me/note/47502826
なお、二世さんが「完成させたい」そうなので、ぜひご協力を。
素数大富豪の211の問題、どうにか完成させたい気持ちがあるんだけど誰か一緒にやらない? #素数大富豪研究会
— 二世 (@m_2sei) 2019年12月8日
☆深める
こちらは、今回の発表の中から自分がさらに深めたいテーマを選び、2人1組になって日本学術振興会特別研究員の申請書の様式に沿って内容を掘り下げていきました。
40分という限られた時間で様式を完成させることは難しいですが、それぞれの組が研究テーマについてより深く考えることができたことで、研究を継続させるインセンティブが生まれました。
素数大富豪の英語名が公式決定!
研究会後に行われた懇親会の場で、考案者のせきゅーんさんを中心に、素数大富豪の英語名を正式決定させよう、という話になり、PrimeQKに決定しました!
今後、英語圏で広めていく中でこの名前を正式なものとして使っていくことになります。歴史的な瞬間に立ち会えました。
その他研究成果など
最後に、研究会で発表された様々な発表の一言紹介を載せておきますので、詳しいことは研究者本人にお尋ねください(以下敬称略)。
・KJQJは弱い(OTTY)
・合成数の組み換えにより素数になりやすい組がある(岩淵夕希)
・素数の末尾に3を付けるのは素数になりづらい(nishimura)
・素数大富豪をやると、見かけた数が素数かどうか気になるようになる(二世)
・素数を習うのは小学5年生(でこぽん)
・多枚出しは多様化している(カステラ)
・並べ替え最大素数を効率的に求めてみた(tatyam)
・レーティング追調査(辻順平)
・素数大富豪を見つめる(なきゃの)
・北大祭で素数大富豪を出展!(OTTY、なきゃの、二世)
・素数大富豪に特化したカードデザイン(小林まどか)
・オンライントーナメント大会開きました(なきゃの)
・素数大富豪の普及過程(辻順平)
最後に私の発表のポスターのリンクを張っておきます。ご自由にご覧ください。
主催者の二世さん、tsujimotterさん、そして当日スタッフのみなさん、今回も素敵な研究会をありがとうございました!
*1:学問分野的にどれに該当するのか、識者による意見求む。