第20回 素数大富豪で遊ぼう会in札幌(201827の巻)

2月7日の素数大富豪で遊ぼう会の報告です。

 

前回の報告

prm9973.hatenablog.com

 

開催概要

2018年2月7日(水)18:00~22:00

北海道大学ミュージアムカフェぽらすにて

参加人数:4人

 

四つ子素数を記念して行いました

27も207も素数じゃないのになぜ?と思った方もいたかもしれません(?)が、素数大富豪で遊ぼう会が始まって以来、初の「4桁素数日」以外の開催となりました。

 

タイトルに「201827の巻」とあるように、201820台の数は、下1桁が1、3、7、9ですべて素数になる、四つ子素数なんです!

 

また、素数とは関係ないのですが、今回で20回目の開催となりました。

 

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593878X(コックさん花屋)は四つ子素数なんです!!

 

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テーブルを囲み和気あいあいと。

 

大人の品格トランプ

モリ君が持ってきた大人の品格トランプがなかなか面白かったです。プレイに支障でそう???

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そして、ダイヤの10に、タクシーに関するマナーのお話が出てくるのをいいことに、その場限りのルールを追加しました。

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2*5=ダイヤ10を出すと発動される、「大人の品格革命!!」

 

効果はラマヌジャン革命と同様です。

ダイヤ限定なので、出しにくいかと思いきや意外と出ました。ダイヤの10が来たらほぼこれに使っちゃう感じで。笑

 

出会った素数たち

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ババァGO遠いぃ

 

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出しながら3の倍数判定したら、まさかの大当たり!

12枚15桁の素数です。

 

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最近は合成数出しも幅が広がりつつあります。(個人的に研究してるだけ)

写真は2*4561=9122

 

出された素数合成数

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今回は1枚出しや2枚出しもかなり多めです。合成数出しの頻度と相関がありそうですね。

1枚出しは2*5=10による影響が大きかったと思われます。

グロタンカットが11回、1213が14回も出されました!

 

 

次回予告

次回はなんと、明後日です!!

1周年スペシャルです。お楽しみに!

 

2/11(日) 13:00~21:00@handmade zakka bon voyage

知人の経営する雑貨店を貸し切っての開催です。

ドリンクとお菓子付きです!お誘いあわせの上ぜひご来場ください!

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インスタグラムでも宣伝してくださっています!

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第19回 素数大富豪で遊ぼう会in札幌(127の巻)

もっと多くの人に素数大富豪を楽しんでもらいたい...!

 

これは今多くの素数大富豪愛好者の皆さんが願っていることだと思います。

 

札幌では、昨年の2月から、「素数大富豪で遊ぼう会」が開かれており、もうすぐ1年が経とうとしています。これまで多くの方々が札幌の地で素数大富豪の魅力に触れてきました。

 

一応、今後のことも考えて、新規参入者にもこの会についてよく知ってもらう機会になればと思い、最初に少し概要をお話ししたいと思います。

 

素数大富豪で遊ぼう会とは?

その名の通り、素数大富豪でひたすら遊ぶイベントです。

札幌市内の貸会議室などで、月2回程度、「素数日」に開催しています。

平日の場合は夕方~夜にかけて、休日の場合は昼~夕方にかけて開くことが多いです。

 

入退場自由で、好きな時にふらっと立ち寄って素数大富豪で遊ぶことができます。

 

もっとも、最近の常連さんたちが強いので、「札幌はレベルが高い」と思われてしまうのも無理はありませんが、常に初心者大歓迎です!

 

飛び込み・初心者大歓迎!

ルールは知らなくてもOK。なんなら、素数の定義を知らなくても大丈夫です。

 

喜んで解説しますので、気兼ねなく来てみてください。

 

その日のうちに2枚出しまでマスターできます!*1

 

素数との「出会い」を体感できる!

素数大富豪では、知っている素数を出すだけでなく、素数かどうかわからない数を出してみることで、素数との出会い」を体感できます。

言葉では説明しきれないので、実際に遊んでみましょう。

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1/27の素数大富豪で遊ぼう会にて。5枚出しが3人連続決まっていますが、全部「出会い」です。3の倍数さえ判定できれば、十分に出会いを求められることができます!

 

 

現在、10代から40代くらいまで、幅広い年齢層の方が参加されています。

理数系のイメージが強いですが、私を含め、数学に必ずしも詳しくないプレイヤーも沢山います!

素数の定義さえ押さえておけば、文系でも、子どもでもできるのが素数大富豪です。

 

札幌付近に在住の方や、北海道に旅行する予定のある方は、ぜひ参加していただければと思います。

 

素数大富豪は楽しいよ!

 

 

遊びました報告(127の巻)

はい、ここからが本編です笑

 

前回の報告

prm9973.hatenablog.com

開催概要

2018年1月27日(土) 13:00~21:00

ノースエイム和室&自由人舎 時館にて

参加人数:ノースエイム5人、時館7人

 

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最初に「今日出したい素数」を書いてもらいます。

こんな8桁の素数じゃなくても、何でもいいので、簡単な「その日の目標」になるような素数で大丈夫です。

 

私はここ2回くらい、出したい素数を出せずに終わっているので、次はもうちょっと考えねば...!!!

本当に現実は厳しかった(笑)

 

 

1試合が長い...!

最初は4人~5人でトランプ2組を使って遊んでいたのですが、最初の2試合が終わるころには2時間経過していました(^^ゞ

それだけ1手1手計算して真面目に出している風でしたね。

 

 

序盤から何度も斬新な素数と出会いまくりの二世さん

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この日昼の部最大の素数。(夜の部はモリ君が8855101012128523(16桁)出しました!)

 

とんでもない合成数を出したるいあさん

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写真だと見づらいのですが、

31141110=2*3*5*7*11*13*17*61

という17枚消費5枚出し合成数です!

 

これを暗算で出したというのだからすごい!!!

 

こんな素数が出ました(昼の部)

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3枚出し~5枚出しまでほぼ同数です。6枚出し以上も決して少なくないというのがなんともすごいと改めて。

最近トレンドの5枚10桁はやはりよく出てきました。

あとは6枚出しの9101112131が覚えやすくて強いという話とか、、、

 

 

夜の部

17時以降は、時館に移動して引き続き遊びました。

 

そこでなんと、tsujimotterさんが来てくださりました!

びっくり!

 

「辻さん」素数も出ましたね。961243

 

その他、4人で総当たり戦をやったり、素数大富豪の今後について語り合ったり、楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。

 

 

次回予告

 

2月は以下の2回の開催となります。

 

四つ子素数記念(第20回)

2/7(水) 18:00~22:00@北海道大学ミュージアムカフェぽらす

20182Xが四つ子素数になることを記念しての回となります。

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1周年記念(第21回)

2/11(日) 13:00~21:00@handmade zakka bon voyage

来月2月11日で、素数大富豪で遊ぼう会は1周年を迎えます!

知人の経営する雑貨店を貸し切っての開催です。

ドリンクとお菓子付きです!お誘いあわせの上ぜひご来場ください!

*1:もちろん個人差はあります

せきゅーん杯予選での「ある1戦」

「ある1戦」は予選Aリーグのゆぅくりっど氏との対戦において起こった。

 

数譜*1も動画も残っていないので、記憶にある範囲で綴ってゆく。

 

 

第1勝負。いきなり大きな山が訪れる。私の初期手札は「A2579999TTX」という偏りが激しく、絵札も多くないので使いづらい手札だ。しかし、偏っているゆえに、あることに気がつく。

 

9910=2*5*991が出せるのだ。

 

8枚消費の3枚4桁(の強い方)の合成数出しなので、残りの3枚で弱い3枚出しを組めさえすれば、先手なら

弱い3桁素数⇒相手の4桁以内の素数⇒9910で不意打ちの上がり

という構想が可能だ。これを、合成数待ち伏せ戦法*2*3と呼ぼう。

 

せきゅーん杯に向けて合成数出しの表を作っているときに、「中くらい~やや強めの3枚出し合成数は8枚消費で出せるものが多い」ことを発見したのがきっかけで思いついた戦法だ。

 

 

 

もしかしたらこの戦法で勝てるかもしれないという状況だった。この日一番の緊張が走った...。

 

 

 

しかし、後手だったため、相手が3枚出ししてくるとは限らない。しかもどうしてもTが余ってしまうので、初手で出したい3桁の素数が作れない。

 

 

 

幸い、ゆぅくりっど氏は初手で443を出した。3枚出しだ。

そして私は合成数9910を残し、残った3枚で作れる一番小さい素数1097を出した。

 

 

 

―ここでゆぅくりっど氏が9910より小さい数を出せば私の勝ち、9910より大きい数を出せば勝てる確率は低くなる...

 

 

 

 

ゆぅくりっど氏が出した数は、12107だった。

 

 

 

わずかに越された...

 

 

 

 

結局この後は、流れを持ち直すことができずに1勝負目は敗北した。

 

 

後から振り返ってみると、9910を出した上で勝てる可能性が高い方法が他にあったので、そこが反省点になる。

 

 

待ち伏せ」にこだわらず、「手番がとれなかったときの最善の残し手札」を組むことにもっと重点を置くべきだった。

 

 

実は、「A2579999TTX」の手札は、ジョーカーが存在するのがポイントで、どうやらこの使い方が明暗の分かれ目のようだ。合成数9910を確保した上で残った3枚で作れる最小の素数上記の1097(T97)なのに対して、最大の素数は71011(7TX)になる。

 

71011はかなり強めな3枚5桁素数だが、1手目の時点で相手は絵札を1枚も使っていなかったので、手番を取れる可能性はあまり高くはないだろう。

 

 

よって、ここでの最善手は「71011を残し、先に9910を出す」となる。精巧な合成数出しなので、出せただけで周りは盛り上がる上に相手にプレッシャーを与えることもできる。

そして、その後に71011より小さい数で返してくれればそのまま勝つことができ、それより大きい数を出されたとしても、ジョーカーを含む絵札2枚を残しているため、次の手以降をより有利に進められる可能性が高くなる。

 

 

 

この1勝負目で、せっかくの合成数を出せずに負けた悔しさを味わった。

 

 

しかし、2勝負目で早くも挽回のチャンスが訪れる。

待ち伏せに使える大きい3枚出しの合成数ではないが、

549=3^2*61

を出せる手札だったのだ。せっかく初期手札で組めた合成数を出さずに終わるのだけは避けたい...この一心だった。

 

そして2勝負目は先手。絵札はあまり多くなかったので、手番を持っているうちに1桁カードだけで作れる推しの合成数*4を出してしまおうと思い、初手で549を出した。

 

さらに、それに対してのゆぅくりっど氏の返しはなんと

961=31^2

だった。合成数3枚出しに合成数3枚出しで返すという、大会ではおそらくかつてない珍事に繋ぐことができた。

この点は非常に満足だ。

 

 

3勝負目までもつれ込み、最後の最後まで接戦だったが、非常に面白い試合をすることができた*5

 

 

まだまだ実戦では出されにくい合成数出しだが、試合に緩急をつけられる点は非常に面白い上に、時に見えぬ威力を発揮することもある。

 

素数を覚える片手間に、使いやすい合成数を少し覚えておくと、いざという時に試合がエキサイティングになるかもしれない。

*1:素数大富豪の棋譜のことを、ここでは「数譜」と呼ぶ。

*2:私が勝手に命名。せきゅーん杯までは隠しておこうと思っていたが、誰かに伝えたい欲のあまり信州大学の方々にはこっそり教えた。

*3:後から気づいたのだが、キグロ氏の素数大富豪小説『QK』で、合成数の不意打ち上がりの場面が出てくるので、既出といえば既出。

*4:61の倍数の合成数出しを非常に推しています。×10までは九九の範囲外での繰り上がりがなく、かつ1桁カードを一気に消費できるからです。

*5:最終的には、私は2-1で辛勝したのだが、この話の中ではあまり重要ではないので省略した。

せきゅーん杯2018 データ分析編

年明けすぐに、MATH POWER杯のデータ分析記事を書きましたが、出される素数は1年でかなり多様になってきていることがわかりました。

prm9973.hatenablog.com

 

MATH POWER2017から3か月。この間に、MATH POWERを見て素数大富豪を始めたという人も少なからず参入してくる中、さらに傾向は変わったのでしょうか。

 

結論から言うと、かなり変わりました。

 

オープンなイベントの中で行われ、初心者も少なからず参加されるMATH POWER杯と違い、せきゅーん杯は16人という限られた人数の参加でした(しかも強者揃い)。そして、場に出せる枚数の制限があるなど、戦略の立てられる範囲が限られていたことなどから、強者同士が「制限の範囲内で最善の戦略をとろうと対策した」ことが、このせきゅーん杯を特徴づける1つの要因になっていたと考えます。

 

MATH POWER杯とせきゅーん杯の違い

戦略の立て方に影響があったと思われる違いは以下の通りです*1

  MATH POWER杯 せきゅーん杯
参加申し込み 当日予約 事前予約(先着)
対戦形式 全戦トーナメント(シード有) 予選リーグ及び決勝トーナメント
制限時間 1手につき1分(決勝は2分) 3分の持ち時間制、切れたら1手10秒
先手の決め方 最初はじゃんけん、2戦目からは負けた方が先手 最初はじゃんけん、以降交代
場の枚数の制限 なし 7枚
上がりの制限 なし グロタンカット、ラマヌジャン革命、ジョーカー1枚出しはペナルティ

 

基本情報

・カードを配ってから勝敗がつくまでを1勝負、同一メンバーで連続して行われる勝負の集合を1試合とする。

・データの対象とした試合は以下の通りです*2(プレイヤーは敬称略)。

予選(決勝トーナメント進出決定戦):1試合・1勝負

 キグロvsふみ川まうりvs貧乏神博士

準々決勝:1試合・3勝負

 カステラvsもりしー

準決勝:2試合・5勝負

 鰺坂もっちょvsカステラ

 キグロvsマモ

決勝:1試合・2勝負

 マモvsカステラ

計5試合・11勝負

 

今回は、データの残る試合数が少ないことや、1試合で出される手の数がかなり少なくなっていることなどにより、統計的に厳密な分析ができる状況とはかけ離れています。集計方法やデータの紹介方法もかなり変えたので、項目によってはMATH POWERのデータとの直接の比較が難しいですがご了承ください。

 

出された枚数について

MATH POWER杯2017では、3枚出しが最も多く出されていましたが、せきゅーん杯では以下のようになりました。

表1 出された枚数ごとの回数(せきゅーん杯2018)

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ご覧の通り、4枚出しが一番多いのです。(もちろん、予選や準々決勝の他の試合も含めればこの限りではありません)

そして、5枚出し以上にも少なからず挑戦している様子が伺えます。さらに決勝に限って言えば、7手中6手が5枚出し以上です。

 

出された数について

せきゅーん杯では、同じ数が複数回出されることは稀でした。どんな数が出されたのかを、回数が多い順に紹介します*3

 

3回 57

2回 2、121013、131011、9131011、12121211

1回 3、8、11、13、89、109、127、421、523、557、641、743、773、823、857、877、929、983、1312、1729、2861、3461、3469、5869、6427、6553、8543、8627、8629、10513、12109、15641、15643、21313、48889、74413、94613、104107、131311、246689、1256887、1310611、4101011、6511013、9121213、13101211、131012911、412111211、862410121、1213131313、1313121011

 

グロタンカットが堂々たる1位ですが、なんとすべてカステラ素数王による手です。カステラ素数王は、せきゅーん杯出場の中で唯一のグロタンカッターなのではないでしょうか(?)。

9131011が2回出されているように、今回は4枚7桁を見る機会が多くて、今まで推してきた身としては嬉しい限りです。

それにしても、大きい素数ばかりですね...

 

今回に特徴的な傾向としては、1桁カードは1桁カード同士で、絵札は絵札同士で組み合わせる出し方が圧倒的に多かった気がしました。「受けの手」と「決めの手」をしっかり区別する戦法を取った人が多かったのではと考えられます。

 

プレイヤーごとの集計

上位4名のプレイヤーについて、それぞれが出した数を枚数ごとにソートしたのが以下になります*4

表2 プレイヤー別の出した数(せきゅーん杯2018)

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カステラ素数王・・・素数を幅広く知っているが、2枚出しや3枚出しも意外と積極的に出す。グロタンカッター。

マモ氏・・・1手目に出す突然の6枚出しや7枚出しが特徴的。これによって何回も試合を取っている。

鰺坂もっちょ氏・・・以前に比べ、4枚出しを多く出すようになった。

キグロ氏・・・受けの手と決めの手を分けて手札を組んでいる。

 

以上のデータから、今回特記しておきたい戦法の鍵となる要素及び、素数大富豪の今後について検討してみました。

 

グロタンカットの新たな可能性

カステラ素数王によるグロタンカットがかなり特徴的なのですが、準決勝2勝負目をご覧ください。

表3 せきゅーん杯2018 準決勝2勝負目の数譜

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1手目でいきなりグロタンカットを出しています。準々決勝でも同様の出し方をしているため、明らかに戦略的です。

 

グロタンカットを1手目で出すメリットについて考えました。

・絵札が少ないなど、手札に決め手が欠けるときに、グロタンカットの前後で2回ドローできるのを利用して、手番を失わずに手札を補充している。

 

グロタンカットは、1桁カード2枚で作れる数です。大きい素数を知っていれば、偶数が多くても影響は少ないので、奇数を消費するデメリットより1桁カードを消費して2桁カードが来るのに賭けるメリットの方が大きいのでしょう。

「手番を失わずに」というのも大きなポイントです。手札が悪い時にしばしば行われる故意のペナルティは、手番が相手に移ってしまうのが難点で、結果的に勝負を自分のペースに持っていきづらくなることが多いのですが、グロタンカットは、自分の手番のまま進められます。

 

枚数制限を逆に活用した例

マモ氏による特徴的な出し方なのですが、1桁カード(の偶数)が多いときに、残りの4枚で素数を組んだ上で、1桁カードで作れる7枚出しを出して相手のミスを誘う戦法になります。相手がそれより大きい素数を出せなければ、手番が再び自分に回ってくるので残りの4枚を出してすぐに上がることができます。仮に、最初の7枚が素数でなかったとしても、手札の補充になります。

今回は、枚数制限があったことにより、その戦略に気づきやすくなったのでしょうか。

 

多枚出しの研究が進んでいる

4枚出しや、5枚出し以上に至るまで、出せる素数の研究がかなり進んでいます。ツイッタ―やブログなどで素数表を公開されている方もいます。組み合わせがある程度少なかった3枚出しまでと違い、4枚出し以上は不可算級なので、個人による推し素数の方向性が多様になってくるでしょう。みんなで推し素数を自慢しあいましょう。笑

一方合成数出しは、遊びのときによく出されるようになった割には、試合での活用はまだ少ない印象です。狙っていたけど出せなかったパターンも多そうですね。

 

より強いCPUと対戦できるようになりました!

素数大富豪CPU対戦のブラウザ版を作られたnishimura氏により、現在の素数大富豪界の流れに合わせて、8枚出しまで対応したCPUが実装されました!

8枚出し対応だけでなく、CPUの思考方法も改良し、より強くなっています。従来通り、5枚出しより少ない設定もできますので、初心者でも遊べます。腕を試したい方はぜひ!

 

上級者向け(強いCPU)

素数大富豪ver4☆pro☆

 

2枚出し制限にも対応(従来型のCPU)

素数大富豪ver4

 

初めての方はver.1からの対戦をお勧めします。

素数大富豪TOP

 

まとめ

2018年は素数大富豪界がどのように動くのでしょうか。覚えやすい素数の研究がもっと進むのか。4枚出しの定着と5枚出し以上の開拓がみられるのか。それとも合成数出しが活発に行われるようになるのか...。注目のポイントです。

MATHPOWER杯2017 データ分析編 - 素数交響曲第2番

 

今のところですが、

・覚えやすい素数の研究⇒○言わずもがな。

・4枚出しの定着⇒○4枚出しを駆使するプレイヤーは格段に増えました。

・5枚出し以上の開拓⇒○5枚出しの研究が今アツいです。

合成数出し⇒△現状どうしても、試合で出すにはハードルが高くなってしまう。それでもせきゅーん杯では面白い合成数出しがいくつか見られたので、今後に期待です。

 

以上、せきゅーん杯2018の分析記事でした。

*1:MATH POWERとの違いは他にもありますが、戦略への影響の少ないものは省略しています

*2:今回対象としたのは、もりしー持ち込みのデジタルカメラで撮影した動画にある試合全てです。

*3:ペナルティは除く

*4:ペナルティは除く

せきゅーん杯参加報告

2018年1月14日に、せきゅーん氏主催の素数大富豪大会せきゅーん杯が行われました。

 

私も出場させていただきましたが、集まった選手の16人は誰をとってもレベルが高く、戦っていても見ていても、非常に楽しくワクワクさせられる試合展開でした。

 

まず結果ですが、私は準々決勝敗退で、ベスト8にとどまりました。

今回の大会は、今までのMATH POWER杯と比べると、出される素数も戦略もかなり多彩になってきており、自分自身もある程度研究はしてきたものの及ばなかった、といった具合ですね。次こそリベンジするぞ!!!

 

 

予選リーグ

まず、予選リーグから試合のレベルが高いのです!

私はAリーグでしたが、何とか3連勝して予選1位で通過したものの、必ず1セット取られる接戦でした。賭けの7枚出しには悩まされましたね...笑

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予選だけど5枚出し以上が普通に出てきます...!

 

この中で印象的な試合が一つあったのですが、その試合については後日記事を上げようと思います。

 

三つ巴になり続けたBリーグの再々試合は、会場全体が盛り上がって、とても一体感がありました。3人続いた5枚出しのラリーはすごかった!

 

以下の8人が決勝トーナメントに残りました。北海道勢が全員いる!

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準々決勝

ここで、一番警戒していたカステラさんに当たってしまい敗北となりました。

なんと、準々決勝を勝ち抜いたのは、すべて各リーグの2位!

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準々決勝までは4テーブルに分かれての対戦。各テーブル試合に集中するの図。

 

準決勝・決勝

準決勝以降は、1つのテーブルを全員が囲う形になりました。時折6枚~7枚出しの素数が出されます。

 

決勝には、カステラさんとマモさん(北海道の方です!)が残り、最後は523(ゴツ美)でカステラさんが上がると拍手が沸き起こりました!

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カステラさんによるウィニングプライム、ゴツ美。

 

カステラさんおめでとうございます!

1月7日の素数大富豪で遊ぼう会in札幌の時から強いなとは思っていましたが、流石でした!

 

今回の大会では、素数大富豪のレベルアップと新たな可能性が見えたのと、北海道勢の活躍を見れたのがとても楽しかったです。

そして、今まで話したことのなかったプレイヤーの方々との交流も大変貴重でした。

 

最後になりますが、責任者のせきゅーんさん、運営のはなぶさん、素数判定員の三重積さんと狡猾な狐さん、この大会はこの方々なくしては為し得ないものでした。本当にありがとうございました。

 

そして出場された皆さんもありがとうございました。二次会も楽しかったですね!

 

せきゅーん杯に関する記事は、来週中にもう2つくらい書きたいなと思います。今回も出された素数の分析をするつもりです。お楽しみに!

第18回 素数大富豪で遊ぼう会in札幌(107の巻)

1月7日の遊びました報告です!

幹事がもりしーに代わってから初めての開催となりました。緊張するかなと思ったけど案外のびのびと遊べたかな...?という感じです。

 

開催概要

2018年1月7日(日)13:00~22:00

ノースエイム小会議室&自由人舎 時館にて

参加人数:ノースエイム9人、時館7人

 

新年早々集まっていただきありがとうございました!

 

 

1月っぽいカッコいい素数出したいと思ってこれを選びましたが、やっぱり出せませんでしたね(>_<)

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せきゅーん杯一週間前なので...

なんと参加者の約半数である4人がせきゅーん杯出場者!

途中で練習試合みたいな形でチーム戦もしました。

 

 

チーム戦は6人が3対3で分かれて行いました。チーム名とか特に決めてなかったので、適当にABを振ります。笑

(選手は敬称略)

Aチーム 先鋒:るいあ 中堅:マモ 大将:カステラ

Bチーム 先鋒:OTTY 中堅:二世 大将:もりしー

動画を撮っていて、編集ができ次第アップしようと思いますので、詳細はその時報告しますが、Aチーム大将のカステラさんがとにかく強いのです*1

結果、大将戦で私は負けてしまいAチームの勝利となりました!

 

3枚出しや4枚出しの素数が常識のように語られるという中で遊んでいたので、知らない素数もいくつか知れて改めて勉強になりましたね。

そして、なぜか1枚出しの時がいちばん盛り上がるという不思議。(アップできたら)動画でぜひ見てみてください。

 

5枚出しのラリー

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11593(いいコックさん)→48889→71010103

 

出会った素数など

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446688833

 

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7枚出し→絵札オンパレード

 

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53→67→106=2*53 #(OTTYさん)

 

他にも、

5683

6857

87313

71257

521243

10524211

16791011

96131011

98121011

など、沢山の素数が出てきました!5枚出し以上も多彩なバリエーションが出るようになってきました。

 

出してないけど盛り上がった素数

35億素数は、やはり格好の話のネタみたいで、素数好きにはかなり受けがいいのです。始めて発見された昨年10月以来、ほぼ毎回ネタになります。

今回の発見↓

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35億肉無い肉屋さん

35億五千万ジジババいっぱい

 

印象に残った素数

最後まで残ってくれた皆さんには、今日印象に残った素数を書いていただきました。

3554488181

13111211

541131211/610523(武藤ゴツ美)/610123(武藤いづみ)

6442427

413711/413713(よ(4)けい(K)な(7)双子素数

334=2*167

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OTTYさんが334出したいという話をしていたときに、私が自分の手札を見たらなんと見事に揃っていたので(しかも前の人がペナルティで手番が回ってきたというタイミング!)出して上がれました...!!!

なんでや!!!阪神関係ないやろ!!!

 

最初から最後まで参加された方は9時間もの長丁場でしたが、来てくださりありがとうございました!お疲れ様でした!

 

 

次回の報告です。

prm9973.hatenablog.com

 

*1:東京の大学生で、年末年始だけ札幌の実家に帰省しているため参加されました。本格的に始めたのは昨年10月くらいから(もし間違ってたらごめんなさい!)らしいのですが、素数の知識量も戦略の組み方もすばらしかった!

MATHPOWER杯2017 データ分析編

年が明けました。来週末に迫るせきゅーん杯を前に、2016年から2017年にかけての素数大富豪の変化を突き詰めたいと思い、正月三が日を利用してMATHPOWER杯の分析を行いました。

 

なお、この記事は一昨年12月5日の二世さんによる記事

nisei.hatenablog.com

のデータを参照・引用し、MATHPOWER杯の2016年と2017年の比較をさせていただきます。

二世さんの方法に倣って、「生放送された試合のデータ」を分析しました。是非とも2つの記事をタブで並べて見比べてみてください。

 

なお、分析データのなかにもりしー本人のデータも出てきますが、本記事ではあくまで客観的な取扱いと分析をしております。ご容赦ください。

 

基本情報

・カードを配ってから勝敗がつくまでを「1勝負」、次のトーナメントに進む人が決まるまでを「1試合」と呼びます。

・データの対象とした放送試合は以下の通りです。(プレイヤーは敬称略)

1回戦:3試合・6勝負

 せきゅーんvsタカタ先生

 はなぶvs堀口社長

 数学のお兄さんvsコロちゃんぬ

2回戦:2試合・5勝負

 せきゅーんvsみうら

 風巻vs鰺坂もっちょ

準々決勝:3試合・7勝負

 はなぶvsみうら

 もりしーvs鰺坂もっちょ

 キグロvsあられ

準決勝:2試合・5勝負

 みうらvsかっち

 キグロvsもりしー

決勝:1試合・4勝負

 みうらvsもりしー

以上11試合・27勝負

 

出される枚数の変化

2016年のデータでは、1~2回戦では1枚出しと2枚出しが大半だったのが、準決勝以降、3枚出し以上の割合がおよそ半分にまで増加しました。

2017年のデータでは、やや簡略化して、n枚出しが場に出た回数を求め、その割合をグラフに表しました。前年と直接の比較にはなりませんが、傾向の変化はつかめると思います。

表1 出された枚数ごとの回数と合成数、ペナルティの回数(2017)

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図1 出された枚数ごとの割合(2017)

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1回戦が1枚出し、2枚出し中心なのは同じですが、2回戦以降、およそ7割が3枚出し以上となっており、前年に比べて場に出す枚数が明らかに増加しています*1。準決勝以降は1枚出しがゼロで、決勝は8割が3枚出し以上、4枚出しの割合もかなり高くなります。

 

合成数出しは4.9%で前年とほぼ変化なし、ペナルティは6.4%で、前年よりやや減少しています。指数表記出しなどが追加され、合成数出しのハードルは下がりましたが、本気勝負になると意外と合成数を狙う人は少ないのかもしれません*2

 

出された数について

こちらは、前年との違いがもっとも分かりやすく表れたところだったので、2016年のデータに新たに2017年のデータを加えた表を作りました。

表2 数字別・出された回数(2016及び2017)

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※文字が小さいので、クリックして拡大をお勧めします。

まず、出される数の偏りがかなり減りました。2016年は1位の「5」が22回も出されたのに対し、2017年は9回出された「1213」が最多です。上位5つを除いた数が全て4回以内に収まっており、1回のみ出された数がかなり多いのが今年の特徴です。

素数のレパートリーはこの1年で確実に増えたといえるでしょう。

 

2016年と2017年を比較して、大きく順位を上げた数字と大きく順位を下げた数字をいくつかピックアップします。

 

ランクアップ↑↑

131011(1回→5回)、121013(0回→4回)

以前は少なかった3枚出しが、より広く浸透したことによるのでしょう。3枚6桁の素数は、総じて多く出されました。

 

443(0回→4回)

3枚出し以上の偶数消費型素数が研究された結果が出ています。

 

4121213(0回→3回)

2016年ではほとんど見られなかった4枚出しがしばしばみられるようになっています。下一桁に偶数を使うことができないため、枚数を増やして出すことも偶数消費の手段のひとつとなっています。

 

1729(0回→3回)

ラマヌジャン革命の追加によるものです。

 

256(0回→2回)

合成数の指数表記出しの追加によるものです。以前は128以上の2の冪が素数大富豪では出すことができませんでしたが、指数表記出しができるようになったことにより偶数消費のしやすい2の冪が出されやすくなりました。256特有の強さについてはせきゅーんさんも言及されています*3

 

81041、81043、81049(0回→各1回)

8104Xは偶数消費型かつ4枚5桁の四つ子素数なので、素数大富豪では出しやすい数となります。最近は四つ子素数の研究が進んでいるので、それが実践にも表れてきています。

 

ランクダウン↓↓

2(9回→1回)、4(7回→2回)、5(22回→4回)、23(5回→0回)、29(5回→0回)、61(9回→0回)、89(16回→3回)、811(10回→3回)

3枚出し以上の偶数消費型の素数合成数がよく使われるようになったために、相対的に1枚出しや2枚出しの偶数消費型が使われる機会は減少したとみられます。また、特に2は合成数出しでの価値が上がったため、なおさら2を使う素数は出されにくくなっていると思われます。

 

1013(5回→1回)

2枚出しで2番目に強い素数ですが、2017年は3枚出しで1回出されたのみで、実質0回になっています。これは2枚出しの頻度が大きく減少したことによるでしょう。2枚出しが出されたらすぐに1213などで返して手番をとり、得意の3枚出しや4枚出しに持っていくという戦法が多くみられました。

 

プレイヤーごとの集計

出された数をプレイヤーごとに集計すると以下のようになりました。なお、今回は上位4名に加え、前年との比較のために鰺坂もっちょ氏を加えています。

表3 プレイヤー別の出した数(2017)

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*「特殊」は、グロタンカット、ラマヌジャン革命、ジョーカー1枚出しを指す。

プレイヤーごとに放送試合数にかなり偏りがあったため、一概に比較するのは難しいですが、それぞれのプレイヤーの傾向はなんとなくつかめるのではと思います。

 

全体の傾向としては、やはり前年に比べて出した回数に対する出した数の種類が増加しています。

合成数出しはかなり少なめです。基本的に、各々の戦略に合わせて知っている素数を出すという戦法が中心になっています。同時に、グロタンカットやラマヌジャン革命もそこまで頻繁には出てきません。

出した枚数ごとを見てみると、全員に共通して3枚出しが最も多いです。これは全放送試合の集計でも同様だったので、3枚出しの浸透は、2017年の大きな特徴といえるでしょう。

4枚出し以上を駆使するプレイヤーは、現状多くはありません。この中では、特にみうら氏が多彩な4枚出しを繰り広げているのがわかります。

 

人ごとに見ると、以下のような傾向が見えてきます。

もりしー・・・3枚出しを最もよく使い、時折4枚出しも行う

みうら氏・・・偶数消費型の4枚出しが特徴的

キグロ氏・・・2枚出しのラリーや偶数消費型3枚出しなど幅広い戦法

かっち氏・・・知っている素数こそ少ないと思われるが、抜群の計算力で素数判定を行い、合成数も駆使しながら勝ち上がってきた。

鰺坂もっちょ氏・・・61211などを中心に3枚出しを主戦法とする

 

まとめ

以上の分析から、大まかに以下のようにまとめられます。

・2016年は2枚出し最盛期、上位プレイヤーが時折3枚出しを使用

・2017年は3枚出し最盛期、上位プレイヤーが時折4枚出しを使用

・2016年から2017年にかけて、出される数のレパートリーが大きく増加した

・3枚以上偶数消費型素数が多く使われるようになった

・一部の2の冪を除く合成数はあまり出されない

 

ここまでMATHPOWER杯の2016年と2017年を比較してきましたが、2018年は素数大富豪界がどのように動くのでしょうか。覚えやすい素数の研究がもっと進むのか。4枚出しの定着と5枚出し以上の開拓がみられるのか。それとも合成数出しが活発に行われるようになるのか...。注目のポイントです。

 

このあたりの最新の動向は、先月の素数大富豪アドベントカレンダー2017から垣間見ることができます。素数大富豪に関する研究の最先端を見ることができるので、まだ読んでない方は、是非とも目を通してみてください。

adventar.org

 

まずは1月14日にせきゅーん杯がありますね。出場選手のみなさん、よろしくお願いします!!

*1:放送試合に出ている人は、経験者が占める割合が高くなる傾向にあると思うので、それが特に2回戦でのレベルの上昇につながっているのではと考えます。放送試合外では、2回戦は初心者もまだ多く残っているはずです。

*2:合成数出しを狙っていたのに出せなかったという裏話もあるようです。

*3:MATHPOWER杯2017での戦い5選 - INTEGERS より