2017年まとめ

大晦日ですね。2017年は素数大富豪の出会いとMathPower杯での優勝など、とにかく「素数大富豪」に関わる出来事でいっぱいの一年でした。2017という素数年にふさわしい一年を過ごせたと思います。

 

10月にブログを開設してから今に至るまでの2か月半で、

・19記事を書き(この記事含む)

アドベントカレンダーに8記事寄稿し

・1000ちょっとのアクセスをいただき

ました。

 

今のところ、素数大富豪に関することが主ですので、軽く素数大富豪記事のおさらいをして一年を締めたいと思います。主に自分で見返す用です。

 

素数大富豪とは?

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素数を覚えよう!

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いろいろな素数大富豪素数

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素数大富豪で遊びました!

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告知など

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振り返るといろいろな記事書いたのだなと改めて。

来年は1月から様々なイベントを控えておりますが、どれも本当に楽しみです。

 

本年は誠にありがとうございました。2018年もよろしくお願い致します。

 

それではよいお年を!!

素数大富豪で遊ぼう会in札幌

おはようございます。年末ですね。

 

12月19日の記事で告知させていただきましたが、素数大富豪で遊ぼう会in札幌の幹事を引き継ぐことになりました。

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数学が好きな人も、そうでない人も楽しむことができるのが素数大富豪。

札幌の地でこれからもしばらく続くと思うので、今まで来てくれた人も、これから参加したいと考える人も、どんどん来てもらえたらと思います。

 

年始は、1月7日(日)の開催が決まっています!

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新たな企画として、前回みうらさんが来てくださった時に行った素数記録をつけてみたり、実況プレイ動画に挑戦したりしてみたいなと今のところ考えております。

ゆっくり時間の取れるときに、公式試合風に希望者4人程度で簡易トーナメントなんかもどうでしょうか。

「印象に残った素数」も復活させられたらいいなとも思ったり。

何か提案等あればどしどしお寄せください。

 

月2回の開催を考えていますが、1月後半は27日(土)か31日(水)のどちらかで考えています。2月は平日開催中心になりそうです。

そして3月11日(日)は会場を長時間確保できたので、そちらも楽しみにしていてください!

 

ではでは!

箏曲から素数大富豪素数を見つけてみた。~宮城道雄『春の海』より~

この記事は、素数大富豪 Advent Calendar 2017 - Adventar 24日目の記事です。

昨日は、せきゅーんさんによる松本旅行記 - INTEGERSでした。

 

クリスマスイブですが、ちょっと先取りしてお正月気分を。

『春の海』という曲をご存知でしょうか。

 

www.youtube.com

 

大正~昭和時代にかけて活躍した有名な箏曲家、宮城道雄作曲のお箏と尺八による器楽曲です。

今やお正月の定番曲となっているので、耳にしたことのある人も多いでしょう。

 

この動画の0:09~0:12の部分が、なんと「素数大富豪素数」になるのです!

9月19日の素数大富豪in札幌で、今日出したい素数として出したらなかなか受けが良かったので*1、ここで解説させていただきます。

 

そもそも、なぜお箏の曲から素数大富豪素数なんてものが出るのかというと、「お箏」と「トランプ」には共通点があるからなのです。

 

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一般的なお箏には、13本の糸(和楽器では、弦のことを糸と呼びます)が張られています(写真)*2

お箏の糸は、それぞれにに名前が付いていて、演奏者から見て奥から順に、

一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、斗(と)、為(い)、巾(きん)

と呼びます。

これらはちょうど、トランプ13種類の数字(A~K)に当てはめることができますね。

 

また、お箏の一般的な記譜法は縦書きのタブ譜の形式をとっており、譜面には糸の名前が直接書き込まれます。

その譜面を数字に変換していくと、一部のフレーズから素数が出現することがあるのです。

 

もちろん、箏曲以外の音楽でも、ドレミファソラシドに数字を振るなどの手法で曲から素数を見つけることは可能です。

しかしお箏は糸が13本あるという楽器の特性と、糸の名前をそのまま譜面に起こすという記譜法の特性の双方により、曲から素数を見つけられるだけでなく、「しばしば2桁カードが出現する素数大富豪素数を明快に表現する」という性質を持っているのです。

 

ここで、先ほどのフレーズを記譜すると、

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三六七八十斗為巾

 

となり、これを数字に直すと

 

367810111213

 

そう、これが素数大富豪素数なのです!

美しいですね。

 

今から、367810111213を、「春の海素数と呼びましょう。

 

 

 

宮城道雄は、箏曲の作曲に西洋音楽的な手法を取り入れました。『春の海』は、ソナタ形式風の三部形式で構成されており、日本音楽の音色を、西洋音楽の進行に沿って配置した形の楽曲です*3

  図 『春の海』の楽曲構成

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「春の海素数」のフレーズはA(0:03~)とA’(5:13~)の中でも楽曲の中心部分にあたる「主題」に3回ずつ登場する上に、最後も三六七八十斗為巾のアルペジオ*4で曲が締めくくられます(7:46)。

『春の海』という曲をもっとも象徴するフレーズが素数だなんて、素敵ですよね!!

 

また、曲中には他にもいくつかの素数が登場します。

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12111097(為斗十九七)・・・1:35など。AやA’の後半部分で登場します。

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61110111311(六斗十斗巾斗)・・・2:05など。Bの頭がいきなり素数です!かなりインパクトのあるフレーズ。

※和音が含まれる場合は、基本的に一番高い音をメロディとして採っています。

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81312111011(八巾為斗十斗)・・・3:30など。こちらもBの主要フレーズのひとつになります。

 

以上のように、箏曲素数大富豪素数の宝庫となりえます。

裏を返せば、素数大富豪素数のみを使って箏曲を作ることもできるかもしれません。

その辺りは今後の研究課題にしたいと考えております*5

 

以上、箏曲から素数大富豪素数を見つけたお話でした!

よいクリスマスを!

 

明日はとうとうアドベントカレンダー最終日ですね。二世さんによるまとめです。

素数大富豪はこんなにも楽しい -2017- - にせいの日記

*1:素数大富豪で遊ぼう会in札幌(911の巻&919の巻) - にせいの日記 参照

*2:17絃など、様々な種類のお箏も存在します。

*3:大海由佳「宮城道雄≪春の海≫の現代性―初等教育における扱いの見直し―」『帝京科学大学教職指導研究』第1巻 第1号 pp.27-32 を参考

*4:和音を構成する音を一音ずつ低い音から(あるいは高い音から)順番に弾く奏法。

*5:日曜数学会in札幌でそれまでの成果を報告予定です。

1発上がりのロマンを求めて/素数大富豪との出会いと今、そしてこれから

この記事は、素数大富豪 Advent Calendar 2017 - Adventar 19日目の記事です。

昨日は、はなぶさんによる形や模様で覚える素数大富豪 - はなぶさんのめもちょーでした。

 

今年最後の8桁素数日(20171219)を担当させていただきます、もりしーです。

突然ですが、合成数1発上がりってロマンありますよね?

素数大富豪は11枚の手札から素数合成数を組んで先に手札がなくなった方が勝利ですが、ルール上、1発で上がってしまう可能性があるのです。*1

 

素数の場合、2、3、5の倍数判定をした上で11枚一気に出したとき、mattyuuさんの調べ*2によりますと、10%強もの確率で上がることができてしまうので、素数大富豪で遊ぼう会in札幌の参加者さん方がこぞって賭けを打つのもわかります。

 

一方で、1発上がりの合成数は、CPU以外が出すのを見たことがありません。ほとんどの人間が簡単に暗算できる範囲を超えている上に、素因数まで揃えるのは大変です。でも逆にCPUがしばしば出すということは、それなりの確率で何らかの1発上がり合成数が作れるのではないかと予想できるわけです。

 

1発上がり合成数をいくつか知っていれば、万が一手札にそろった時にこの上ない奇跡をものにできるのではないか?と考えたのです。

1発上がりな上に、芸術点の高い*3合成数なんて、究極のロマンではありませんか!

 

ということで、11枚のトランプから作ることが可能な1発上がり合成数をいくつか調べてみました。

 

語呂合わせ編

210593(ニートコックさん)=197*1069(行くな、登録)

「調理師の資格持っているけど就職しない人」のイメージです。

 

310710(水戸納豆)=2*3*5*10357

気に入っているのでいつか出してみたいです。4枚出しですね。

 

710710(納豆納豆)=2*5*7*11*13*71

710*1001なので、1001チェックを知っていれば暗算で出すことができます。このタイプの合成数は結構ありそうです。

 

72843(夏休み)=3*24281(さあ、西にハイチ)

夏休みごろに、「~夏休み」という素数が札幌で流行っていたのをTwitterで見た気がする(当時はまだ参加していませんでした)のですが、夏休み自体は11枚合成数でした!しかも偶数消費型!

 

886249(ハバロフスク)=7*13*9739

12枚ですがイチオシなのでご容赦ください。1枚引いて揃ったら出しましょう!*4

 

偶数消費型

8866=2*11*13*31

88664=2^3*11083

46812=2^2*3*47*83

8101211=1231*6581

 

冪乗

33554432=2^25

2,3,5が3枚と、4が2枚という偏った手札ですがこれは覚えやすいかも

 

282475249=7^10

7の冪乗で偶数が多く、かつ11枚になるものです。

 

素数)^2で作れるものも多くあります。11枚という条件をそろえるにはある程度範囲が限られているのですが、意外とすんなりみつかるものです。

 

1125721=1061^2

おそらく最小。

 

1471369=1213^2

なんとなく規則性のありそうな数字列。9枚~12枚で可能。2枚出し最強1213の2乗。

 

9665881(苦労老後やばい)=3109(佐藤くん)^2

老後への備えはしっかりと。

 

10621081=3259^2

10を2枚使って桁増やせる上に、四つ子素数の2乗です。見つけた中では最大。

 

今後、エクセルにまとめたりして活用法を考えたいなと思っているところです。

 

さて、話は変わりますが、ここからが本題かもしれません。

せっかくなので、素数大富豪に関するエピソードを話したいと思います。長々とした自分語りになってしまうのは恐縮ですが、おそらく後にも先にもない機会だと思うので、こういう人もいるんだな、程度に思って読んでいただければと思います。

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素数大富豪に出会う前

子供の頃は「とにかく数字が好きな子」でした。数字に関する理解だけはかなり早かったようです。

小学3、4年生くらいのとき、「名前の文字数で天国地獄大地獄を占う」手遊びを通して、mod 3を計算する方法を自分で編み出し、車のナンバーなどを見ては計算していました。*5当時は奇数偶数の概念をまだ知らなかったので、「mod 3で何か」を通して数字を見ていました。自分の本名の文字数が天国(1 mod 3)であったため、1 mod 3の数字が好きでした。

また、「他と比較して大きな数」が好きでした。「他と比較して」がポイントで、大数のようなむやみやたらに大きい数には関心がなく、何かに振り分けられる有限個の数字のなかで大きいもの(たとえば「出席番号」や「スポーツ大会のゼッケン番号」、「抽選番号」など)で、他の人より大きいものを持つことになぜか執着がありました*6。そして、イベントごとに与えられた数字は、終わってからも必ず覚えていました。

 

中学生になる頃に他分野(主に音楽)に興味が移ったことや、高校数学は嫌いだったことなどにより、残念ながら数学には縁がありませんでした。

 

しかし、大学生の頃に、「素数の魅力」に気づき始めます。それまで素数は、数学の授業で少し取り扱った程度で、とりわけ思い入れはなかったのですが、「4桁最大の素数ってなんだろう?」とか、「素数の間隔には何か法則性があるのかな?」など思うようになりました。

とにかく気分を落ち着かせたいときや、何かに夢中になりたいけど何もできなくてもどかしいときは、素数に関する記事をネットサーフィンで見て漁りました。

電卓だけを片手に発見した4桁最大素数9973は今でも大好きな素数です。

 

素数大富豪との出会い

2016年の暮れに大学の留年が確実になり、何においても自信が持てない時期を過ごしていました。少し気持ちが落ち着きつつあった2017年3月頃、例のごとく素数の記事を漁っていると、あるワードがしきりに目につくようになりました。それが「素数大富豪」です。

とにかくいろんな記事を読んでいたので、何の記事が「素数大富豪」との最初の出会いだったかは覚えていないのですが、かなり初期に読んでいた関連記事のなかには、二世さんの素数大富豪徹底攻略!~ビギナー編~ - にせいの日記や鰺坂もっちょさんの「パッと見素数」に気をつけろ! - アジマティクスなどがあったと思います。当初、なんとなく面白そうなゲームだなと思いつつも、ルールが複雑で、文字情報だけではうまく噛み砕けなかったので、実際にやってみようとは思いませんでした。

しかし、素数大富豪Advent Calendar 2016などの面白い記事を読み進めていくうちに、大会が行われるほどすごいゲームなのかと感心し、「よくわからないけどやってみたい!」という気持ちが強くなりました。

そして、素数大富豪ver3でCPU対戦ができることを知り、初プレイしてみたのが、2017年4月2日。最初の試合の感触は鮮明に覚えています。

 

CPU初対戦での戦績

試合のログを保存してあったので、当時の心の内を回想し添えたうえで、ここに載せます。

you:+4,+8,+13,+1,+10,+7,+5,+★,+5,+4,+7,

cpu:+2,+9,+9,+3,+11,+6,+3,+6,+8,+2,+8,

you:[4],[13],bad,+13,+7,pass「413って素数なのかな?え、違うの?」

cpu:[6,2,6,9]

you:pass「4枚とかやめてくれよー、パス!」

cpu:[9],[3,*,3]

you:[13]「これなら出せるけど13使っちゃう」

cpu:pass

you:[4,1]「とりあえず41」

cpu:+6,pass

you:[4,7]「え、こんな素数でパス?47!」

cpu:+12,[8,11]

you:[10,13]「これは確か2番目に強いやつだよね。」

cpu:+9,pass

you:[5,7]「とりあえずグロタンで…」

cpu:-

you:[★=9,5,8,7]「9587は知ってる素数だ!やった!」

cpu:lose

--------

なんと、初プレイにして4枚制限(デフォルト)のかなり強いCPUに勝ってしまったのです!!!

当時、覚えていた素数は200以下と2枚出しの強い素数、そして1000台と9000台にいくつか知っている素数がある程度でした。

もちろん上の試合に勝てた直接の理由は自分の手札がよく、CPUの手札が悪かったからだとわかります。次の試合からは、16連敗を喫するのでした...

 

そして、18試合目で2回目の勝利を挙げます。そのログがこちら。

you:+7,+11,+9,+6,+4,+3,+7,+7,+12,+8,+10,

cpu:+1,+13,+5,+3,+11,+2,+3,+12,+2,+2,+11,

you:pass(なぜかパス。たぶん間違って押した。)

cpu:[2,12],[2,*,2,*,5,3]

you:[8,11]

cpu:pass

you:[9,7,4,3](知ってる9000台素数

cpu:[3,11,1,11]

you:[6,12,10,7](3の倍数だけ確かめてあとは賭け)

cpu:+5,pass

you:[7]

cpu:lose

--------

知っている9000台素数を出して、それ以上の大きい4枚出しは知らないけど、とりあえず出してみる、という方法で、それが当たれば勝つことができるという程度になっていました。既に、4枚出し戦法の原型が見て取れるのですが、「9000台に知っている素数がいくつか(5~10個程度)あった」という点がこの戦法の確立を後押ししていたようにも思えます。

 

結局、かなりはまってしまい、徹夜で190試合し、83勝107敗で初日を終えました。強いCPU相手に、初日にしてはなかなかの手応えでした。

「もしかしたら、素数大富豪は得意かもしれない...!」

 

ここで、幼いころからこだわっていた「他と比較して大きい数字」が素数大富豪とうまく重なることに気づきます。素数大富豪は、親によって定められた枚数において、最終的により大きい素数を出せた方が親を取れます。つまり、私が生来持っている数に対するこだわりを貫くことで、素数大富豪というゲームを有利に進めることができるのです。これほど自分に向いたゲームは他にありません。

 

試行錯誤しながら大きい素数を少しずつ覚えていき、CPU対戦ではぐんぐんと戦績を伸ばしました。1週間後の4月9日には、50戦で34勝16敗と、驚異的な勝率を記録しています。正直、今やったところでそれ以上の勝率を出せるとは限りません。当時の自分、恐るべし...

 

大会に出たい!いろんな人と素数大富豪がしたい!

4月の終わりには、先手固定で平均勝率6割くらいは取れるようになり、CPUとの対戦も少しマンネリ化してきたところで、対人戦をしてみたくなりました。

ただ、素数大富豪仲間がいない。これは素数大富豪にはまった誰しもがぶち当たる課題ですね。友人を誘ってみると人によっては少し応じてくれるのですが、なかなかはまってくれない。そもそもたいていの人はやろうともしない。

 

ちょうどその頃、4月29~30日のニコニコ超会議素数大富豪のブースが開かれていました。予定があって行けなかったのですが、その前後でキグロさんが出していた対戦動画を毎回楽しみに見ていました。素数判定に一喜一憂したり、各々が持っている知識を楽しそうに話す様子を見て、とても羨ましく思いました。それと同時に、この人たちとなら対等に素数大富豪で遊べるかもしれない、そしてうまくいけば勝てるかもしれない、とも心の奥底では思っていました。MathPower杯での優勝も夢じゃないとひっそりと思い始めていたのでした...。

 

ちなみに当時は関東に住んでいたので、みらいけんに顔を出そうかとも考えました。しかし7月に迫る春学期の卒論提出に向けて本腰を入れなければならない時期だったこともあり、結局腰が上がりませんでした。

 

素数大富豪で遊ぼう会in札幌との出会い

5月以降、学業に集中するためCPU対戦をほどほどにし、素数大富豪に関しては4枚7桁のリストアップを始めたことくらいでした。

そして7月になって、二世さんが札幌で「素数大富豪で遊ぼう会」なるものを開催していることを知ります。実家が札幌近郊で、卒業が決まれば実家に戻ることになっていたので、参加できるのを楽しみにしていました。

8月に無事卒業が決まり、9月のはじめに北海道の実家に戻りました。

 

そして2017年9月11日、待ちに待った素数大富豪in札幌初参加の日です。最初は二世さんと私の2人だけ、途中で人が増えても4人と、人数の少ない回だったのですが、そのかわりじっくりと素数大富豪で遊べた気がしました。「ゴツ美」が生まれ、なぜか東京勢にまでどよめきが波及したのもこの日です。

 

次の9月19日の回では、10人くらいが集まり、わいわいと楽しい雰囲気で遊びました。その中で、必ずしも数学が得意でない参加者たちが「今日出したい素数」や「面白い語呂合わせの素数」を楽しそうに出していく姿、そして果敢に会心の一撃を狙う姿を目の当たりにして、素数大富豪の魅力のひとつである「誰でも平等に遊べる」ことを初めて実感した回でした。11日目の記事*7で紹介した、「語呂合わせ素数表」の構想はこの日に遡ることができます。

 

MathPower杯での優勝とそれがもたらしたもの

そして10月8日。私は準々決勝以降もっちょさん、キグロさん、みうらさんの強豪に勝ち抜き、優勝を果たすことができました。

私は、今まで自分のいちばん得意なことは「音楽」だと思っていました。たしかに好きでかつ得意であることには変わりなく、ピアノ、作曲、和楽器など様々なジャンルに挑戦してきましたが、「そこそこ上手い人」のレベルからは何一つ脱却することができませんでした。「人に見せられるレベルじゃないし、かといってそこまで努力するのは苦になる」という壁を乗り越えることができなかったのです。そのため総合大学に進学したのですが、学業もぱっとせず不完全燃焼にとどまる自分に燻っていました。

しかし、素数大富豪は、瞬く間に世界一への道を開いてくれました*8。これが、私にとっての不動の自信につながっています。

 

そしてMathPower杯での優勝は、自分にとって当初思っていた以上の変化をもたらしました。

そもそも、ブログを始めて今ここに記事を書いているなんて、当時は予想だにしていなかったのです。

きっかけはMathPower翌日の素数大富豪in札幌で、二世さんに「今年も素数大富豪アドベントカレンダー立てるから、記事書いてみない?」とお誘いいただいたことです。当時はまだ、素数大富豪をただ楽しんでいるだけで、「素数大富豪のあれこれを他に発信する」という発想がなかったため、あまり快い返事をした覚えがないのですが、内心では素数大富豪について人に伝えたいことはいっぱいあったので、何事も挑戦だ、と思い10日後の10月19日にはブログを立ち上げていました。「素数大富豪を伝道したい」という思いが生まれたのはこの頃です。

 

そして優勝してしまった以上、追われる立場です。素数大富豪大会で優勝したい、と夢を掲げる者にも出会い、最近は札幌の参加者のレベルが一段と上がっているように思えます。常連同士だと、1001チェックがもはや当たり前という段階まで来つつあるので、うかうかしていられません。それでもなお、素数大富豪の原点に戻って楽しく遊ぶというスタンスは幅広く受け入れられており、素数大富豪の良さはここにあるのだなと思っております。

 

また、日曜数学界隈の方々との関わりは何より大きな変化です。先月はせきゅーんさんにオフ会にお呼びいただき、多くの刺激を受けました。もちろん現時点では、「MathPower杯優勝者」という肩書があってこそのものではありますが、今後日曜数学会in札幌でのプレゼンも予定していたりと、「日曜数学会」自体もひとつの活動の場となりそうです。

 

私は素数大富豪との出会いを通して、「自分が本当に得意なもの」に気づくことができました。何人もの人にここまで影響を与えられる素数大富豪と、それを考案し世に広めたせきゅーんさんには、感謝感激です。

 

素数大富豪in札幌はほんとに最終回?

そして先週12月13日、二世さん主催による「素数大富豪で遊ぼう会in札幌」は、最終回を迎えました。東京からみうらさんも駆けつけてくださり*9、大盛況で幕を閉じました。私が参加したのは9月からのほんの3分の1に過ぎませんが、素数大富豪の魅力に直に触れることができて、素数大富豪がもっと好きになりました。12月12日の記事素数大富豪で遊ぼう会in札幌のこれまでとこれから - にせいの日記 での二世さんの言葉にあるように、「もっとやりたい」と思う人は多いはずです。もちろん私もその一人です。

素数大富豪自体が魅力あるのはもちろんですが、それが札幌で花開いたのは二世さんの行動あってこそです。終わってしまうのは、寂しいですよね?

 

 

 

 

ここで朗報です。

 

 

 

 

素数大富豪で遊ぼう会in札幌は、来年も継続して開催することが決定しました!!!

 

 

それに際しまして、1月より、幹事を私もりしーが引き継ぐことになりましたので、ここにて報告させていただきます。

二世さんも可能な限り参加してくださるそうです。幹事できる人が2人になったので、有事のフォローも可能です。

今後も、素数大富豪愛好者の方々により楽しんでもらえるような場を提供し続けたいと思い、立候補させていただきました。

新しい企画も少しずつ構想しています。今からとても楽しみです!

 

そして、気になる日程は...

 

2018年1月7日(日)13:00~17:00 @ノースエイム小会議室

となります!!

 

17時以降も、希望があれば場所を移動してやる予定です。

 

二世さん、これまでありがとうございました!

来年度の素数大富豪で遊ぼう会in札幌も、よろしくお願い致します!

 

 

ここまで長い記事をお読みいただきありがとうございました。

 

さて明日は、nasuyaさんによる、素数大富豪に興じる人々: 今日も一日のびのびとです。

え、我々のことですか?????

お楽しみに!

*1:公式ルール参照。ただし大会によっては場に出す枚数を制限することもある。

*2:素数大富豪アドベントカレンダー2016 素数大富豪〜会心の一撃の成功確率〜 - mattyuuの数学ネタ集より

*3:素数大富豪に芸術点はありません。ただ、見てて面白い、美しい、と感じる出し方に対して、「芸術点が高い」と言われることが時々あります。これも素数大富豪の魅力のひとつです。

*4:ハバロフスク数 - 素数交響曲第2番もご一緒に参照ください!笑

*5:「天国」が1 mod 3、「地獄」が2 mod 3、「大地獄」が0 mod 3です。

*6:そういう点では、苗字がマ行でよかったなと思っています笑

*7:語呂合わせ素数で広がる世界 - 素数交響曲第2番 参照

*8:当然、素数大富豪がまだまだマイナーで発展途上なゲームである故というのも大きいです

*9:やたらすごい素数と合成数in札幌 - ますぱら 参照

COOLPIX 使い始めて 早10年

この記事は、うちの〇〇〇可愛い Advent Calendar 2017 - Adventar 17日目の記事です。

 

私は2007年から、ニコンのコンパクトデジタルカメラCOOLPIXシリーズを愛用しています。現在使っているCOOLPIX A900は3代目です。

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とりわけ写真を趣味としているほどでもなく、大した上手でもないのですが、昔からニコンのリアルな描写力が気に入っており、コンパクトデジカメならニコン!とこだわり続けていました。さすがに10年も経つとかなり愛着がわきます。

 

まずは2007年3月~2015年9月まで、8年半活躍した、COOLPIX P5000で撮った写真を。光学ズームが3.5倍とやや不足なので、風景の全体像を撮る写真が多かったです。

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2015年2月19日、スイス・ラウターブルンネンにて。

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2015年2月19日、スイス・グリンデルワルトにて。スイスの山岳地帯は迫力圧巻ですね!

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2015年2月20日、スイス・モントルーにて。レマン湖に沈む夕日。

 

続いて、2016年1月から2017年9月まで活躍した、COOLPIX S9900。こちらは、ズーム機能が優れており、遠くの写真も詳細に撮れるので一層撮影が楽しくなりました!

現在S9900は母親に譲り、愛犬写真などで沢山使ってもらえています!

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2017年4月16日、茨城県つくば市にて。クレーターまでしっかりと描写してくれます。

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2017年3月5日、大分県別府市にて。高熱の温泉がわき出るところ。

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2017年3月6日、熊本県人吉市にて。

 

そして、2017年9月からのCOOLPIX A900。基本機能はS9900と同じですが、4Kの動画が撮れます。今後旅行に行く機会があれば、動画も積極的に撮っていきたいなと思います。

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2017年11月19日、北海道北広島市にて。

 

以上、長年愛用しているカメラと写真についてでした!

語呂合わせ素数で広がる世界

この記事は、素数大富豪 Advent Calendar 2017 - Adventar 11日目の記事です。

昨日は、akatananaさんによるこれであなたも合成数出しマスター 〜アドベントカレンダー10日目〜 - 慶ドミのぼっちでもドミニオンでした。

 

直前の変更で申し訳ありません。本来12月19日の記事にする予定だった「語呂合わせ素数の拡張性について」を、代わって今日投稿させていただきます。「1発上がり素数合成数および素数大富豪エピソード」は来週のお楽しみに!

 

「語呂合わせ素数」は、文字通り素数大富豪素数を語呂合わせで覚えるというものです。私自身、当初は素数大富豪をほとんどCPU対戦でしかやったことがなかったので、「強い素数を覚える」「CPUが良く出す素数を覚える」「偶数消費型を覚える」くらいで、語呂合わせには縁がありませんでした。

 しかし、9月に素数大富豪で遊ぼう会in札幌に参加するようになってから、参加者みんなが「今日出したい素数」を考えて、(語呂合わせを中心に)好きな素数を出そうとしている姿を見て、語呂合わせ素数ってこんなにも楽しいんだ、と感心しました。

 

語呂合わせで作った短文が素数だった時の盛り上がり、たまらないです...!

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婿さんコックさん @11/23素数大富豪で遊ぼう会in札幌

 

というわけで、語呂合わせ素数で広がる世界、紹介させていただきます。

 

まず、593(コックさん)は素数です。もはやおなじみですね。そして、「良い」を付けた41593(良いコックさん)も素数です。

893(ヤクザ)は素数ではありません。一方、41893(良いヤクザ)は素数です。

以上までで、2×2の素数表ができます。

表1 2×2語呂合わせ素数

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各項目において、素数になる場合だけ数字を記入します。任意の奇数が素数である確率はそんなに高くありませんが、「3の倍数を避けてなるべく素数になりやすい組み合わせを項目に採用する」だけで、表がスカスカすぎてどうしようもない、という状況は避けられるはずです。

 

この表は、項目を追加することで、どんどん拡張することができます。

私が今持っているのは、21×22の表です。半分とまではいきませんが、見るに値するだけは埋まっています。ここまで広げてしまうと、流石に1項目追加するだけで作業が大変です...笑

表2 21×22語呂合わせ素数

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この表を眺めていると、色々なことがわかります。

 

仕事場に来ないのはヤクザだけじゃない!

451082571893(仕事場に来ないヤクザ)という素数は、札幌のメンバーの間では有名(?)です。

ですが、なんと「伊藤さん」と「佐藤くん」も仕事場に来ないのです!!!(4510825711103、4510825713109)

 

鎌倉幕府再興の兆し

いい国作ろう~(1192296~)で素数を作れるのは、コックさん、佐藤くん、武藤さん、武藤くん、工藤くんと現在5名。表をもっと拡大していけば、彼らによる鎌倉幕府が再現されるかも!!!???

 

西向く率の高さ

表を見ていると、西を向いている人がかなり多いようです。ヤクザ、一休さん、伊藤さん、伊藤くん、工藤くん、齋藤くん、石破さんで現在7名。

 

安定のニート

一休さん、ゴツ美、佐藤さん、工藤さん、工藤くん、齋藤さん、稲葉くん、石破さんの8名。

また、~いない(~171)or~いないいない(~171171)がさらに多い9名となっており、存在しない架空人物が一定数いる模様です。(そもそもフィクションですが...笑)

 

ちなみに、「伊藤さん」は仕事場に来ない怠け人(4510825711103)ですが、周囲には「伊藤さんご苦労さん(11035963)」と労いの言葉をもらっています。どうやら伊藤さんは要領のいい奴なんでしょうね!

 

こんなよくわからないショートストーリーまでできてしまいます。

 

語呂合わせをたくさん覚えるのは面白いのですが、しばしば「ニートなのは誰だっけ?」ということが起こるのが難点です。

でも、楽しんで覚えられるのが一番の強みだと考えます。

 

皆さんも、思い思いのストーリーを作って、語呂合わせ素数を楽しんでみませんか?

 

明日は二世さんによる、素数大富豪で遊ぼう会in札幌のこれまでとこれから - にせいの日記です。お楽しみに!

ハバロフスク数

この記事は、インテジャーズ Advent Calendar 2017 - Adventar 11日目の記事です。

昨日の記事は、せきゅーんさんによるセメレディの定理の組合せ論的証明ー4 - INTEGERSでした。

 

 

{}881という自然数があります。これは素数で、一の位を替えた{}883{}887素数です。一方{}889合成数で、{}889=7\times127素因数分解できます。

 

十の位に{}6を挿入した{}8861素数で、同じく一の位を替えた{}8863{}8867素数ですが、{}8869=7^2\times181と、同じく7を素因数に持ちます。

 

さらに、百の位と十の位に{}24を挿入した{}886241{}886243{}886247素数で、{}886249=7\times13\times9739とこれまた7で割れてしまいます。

 

ここで疑問が生まれます。{}88{}9の間に、{}6{}24を任意の自然数個挿入した時、上の法則が成り立つのではないか?

 

ここで、{}88{}9の間に、{}6{}24を任意の自然数個挿入してできる自然数を、ハバロフスクと定義します*1。また、ハバロフスク数の一の位を1,3,7のいずれかに替えて素数となる自然数を、ハバロフスク素数と定義します。

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案の定、一つのハバロフスク数に対して必ずしも三つのハバロフスク素数が存在するわけではないことはすぐに判明しました。{}88624241=163\times543707などが反例です。一方、ハバロフスク数は、何種類試行しても7の倍数になりました。

{}88246666249=7\times12606666607

{}886242462469=7\times13\times17\times572878127

{}882424662466249=7\times9871007\times12770801

 

 

そこで、数学の知識が乏しいなりに証明を試みました。

うまくいっているかはわかりません。途中躓きながらも、興味本位でゴリ押し...!

 

 

命題:ハバロフスク数は7の倍数である。

証明:

まず、ハバロフスク数のうち、88と9の間に6を一つずつ挿入して形成される自然数の数列を{}h_nとすると、

{}h_n={(889, 8869, 88669, 886669, .....)}

{}h_nの階差数列を{}i_nとすると、

{}i_n={(7980, 79800, 798000, ...)}

{}i_nは、初項7980、公比10の等比数列なので、nの一般項で表すと、

{}i_n=7980\times10^{n-1}

(1) {}n=1のとき

{}h_1=889

(2)n≧2のとき

{}h_n=h_1+\sum_{k=1}^{n-1}i_k 

      {}=889+\sum_{k=1}^{n-1}7980\times10^{k-1}

      {}=889+\frac{7980\times(1-10^{n-1})}{1-10}

      {}=889-\frac{7980\times(1-10^{n-1})}{9}

(1), (2)より、

n≧1のとき、

{}h_n=889-\frac{7980\times(1-10^{n-1})}{9}

ここで、n=1のとき

{}h_1=889=7\times127...①

n≧2のとき、

{}h_n=889-\frac{7980\times(1-10^{n-1})}{9}

      {}=7\times(127-\frac{1140\times(1-10^{n-1})}{9})...②

また、{}\frac{1140\times(1-10^{n-1})}{9}はn≧2において必ず整数となるので、{}h_nは(7×整数)の形になる。

①、②より、{}h_nはn≧1において必ず7の倍数となる。

 

次に、ハバロフスク数の中で、24が挿入されるものを考える。

{}88249=88669(7の倍数)-420(7の倍数)

{}886242466249=886666666669(7の倍数)-424200420(7の倍数)

24が挿入されるタイプのハバロフスク数は、同じ桁数の{}h_nと7の倍数との差として表すことができるので、24が挿入されるハバロフスク数も同様に7の倍数と言える。

 

以上より、命題は真である。

 

...どうやらハバロフスク数は必ず7の倍数になるようです。

桁和で倍数判定のできる3や9の倍数でないのに不思議だな、と思いましたが、似たような例は多数あることも発見しました。

{}15555...54

{}23333...31

{}23333...38

{}31111...15

{}38888...85

すべて7で割り切れます。

また、上の証明の後半部分からは、挿入されるのは24だけではなく、66から7の倍数の差を取れる整数(2桁なら、03、10、17、24、....、94)の何を挿入しても7の倍数になることがわかります。66に対して24などのような2桁数に限らず、666に対して568のような3桁数以上についても同様です。

 

88....9の間に挿入できる整数(6桁まで)

1桁・・・6のみ

2桁・・・7n-4

3桁・・・7n-6

4桁・・・7n-5

5桁・・・7n-2

6桁・・・7n

 

これにより、いろんな7の倍数が作れます。一見7の倍数か判別できないようなものも簡単に作れます。

{}886595256831039=3\times7\times277\times152414518967

{}880000005935939=7^2\times109\times164763154079

{}14156206484=2^2\times7\times199\times2540597

 

886.....69から7の倍数を作るときのイメージは以下の感じです(手書きで失礼します)。わかりやすく言えば、889の十の位と一の位の間に6や24などの整数を挿入することは、「7の倍数から7の倍数を足したり引いたりすると7の倍数になる」という法則と同義の操作をしていることになるのです。

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これ、「7の倍数大富豪」で無敵じゃね?

 

今日の日付である、1211も7の倍数です。7の倍数大富豪ならともかく、素数大富豪ではくれぐれも1211やハバロフスク数を出さぬよう!

 

以上、ハバロフスク数を通じていろんな7の倍数に出会った話でした。

明日も、せきゅーんさんによるセメレディの定理の組合せ論的証明ー5 - INTEGERSです。お楽しみに!

*1:886249の語呂合わせが由来。